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退屈な日常とか、虚像の世界とか

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真っ先に目を引いた鮮やかなオレンジ色の髪。
気の強そうな明るい碧の眼。
夏服から伸びる白磁器のように白い手と脚。


─────美少女。

反射的に頭に浮かんだ言葉は間違っていないはずだ。


「・・・・・どうかした?」
「い、いえっ!!」
近づいてきた彼女が発した怪訝そうな声で我に返り、慌てて言葉を返す。
「あ、この子はポッチャマ。私のパートナーなんですっ」
「ポッチャマ・・・。初めて見るけど新種のポケモン?」
「えっと、ポッチャマはシンオウ地方の新人トレーナーのポケモンで・・・」
「そうなんだ!いいなぁ~っ」
やや興奮気味にポッチャマを覗き込む様に見る彼女に面食らうが、当のポッチャマは彼女に警戒心を抱くどころか照れた様に頭を掻く。

「あの・・・貴女は・・・・?」
「さっきこの子が一人で歩いてるのを見かけたから声かけようと思って」
迷子だったの?と聞く彼女にポッチャマが首を横に振るのを見つつ、肯定の言葉を返す。
「ポ、ポチャーッ」
「何よ、本当のことでしょ」
抗議の声に少し強めに言い返せば、ポッチャマは拗ねて横を向いた。

「あら。かすり傷があるわね」
「え!?」
彼女の言葉に驚いてポッチャマを見ると、確かに頬に小さな傷があった。
片手でポッチャマを抱いて絆創膏を取り出そうとスカートのポケットを探り、

「ルリリ」

耳に届いた聞き慣れない言葉に顔を上げる。
そして不意に彼女の足元から腕の中へと跳び上がってきた水色のポケモンに目を瞬かせる。
不思議がる私に彼女はパートナーのルリリよと言って、

「リフレッシュ」
その声にルリリと呼ばれたポケモンがその浮き球の様な丸い尻尾でポッチャマに触れた。
「、きゃ!?」
そして突如ポッチャマを包んだ光に思わず目を瞑る。
光はすぐに消え、それを確認して瞼を上げると彼女が覗き込むようにポッチャマを見ている様子が目に入った。

「あ、あの・・・今の・・・・?」
「あ、ごめんなさい。今のはリフレッシュって云って異常状態を治す技なの。だけど私のルリリのは少し効果が違って」
そこで言葉を切り、ポッチャマの頬に触れた彼女の指先に沿って視線を動かし、

「怪我を治すのよ」

その言葉に跡もなく消えていたポッチャマの傷に気づき、あっと声を上げる。
「これは応急処置だから。後からちゃんとした手当てをしてあげてね」
彼女は私と同じように驚いているポッチャマの頭を撫で、私を見て言う。
「は、はいっ」
そして、そう答えた私に満足そうに笑うとじゃあねとスカートを翻し歩き出した。

 

────お礼言い忘れちゃったね」
「ポチャア」
残された私達がそんな会話をしたのは、彼女の姿が木々の向こうに消えたずっと後のことだった。





+++++++
連続うpすいません。
だけど次はいつ上げられるか分からないので(とか言ってますが、基本的に暇してます。

ルリリの技の効果は正確じゃないと思います。
AGの時にピカチュウの体調異常?を治したのを何となく覚えていたので、使ってみました。
違うだろ!って言う方がいたらごめんなさい。

そういえば先日、大型衣料店でカスミのプリントがされたリュックサックを発見しました
見つけた瞬間、吹き出してしまいました。
柄は三種類あって、ピカチュウとの2ショットでした。

私は凄くテンション上がったんだけど、今の子供はカスミのこと分かるんだろうか・・・・?

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「ポッチャマーーーーっっ」

お腹の底から出した声が振動となって空気を揺らした。
しかしどれだけ待っても返ってくるのは静寂だけ。
数刻前と同じ結果に溜め息を落とし、そんな私を遠巻きに見ている名前も知らないポケモン達を見回す。
だが、その中に目的のパートナーがいるわけもなく。

─────っていうか。


「此処はどこなのよーーーーっ!!?」


そんな、迷子真っ只中な私の叫びに木に止まっていた鳥ポケモンが一斉に羽ばたいた。

 

「なんでこの学校こんなに広いのよ・・・敷地内に森とかありえないって・・・・」
そんなことを吐き出して、再び静かになった周囲にがくりと肩を落とし、

「ポチャーーーッ!!」
「!?」

突然後ろから聞こえてきた声に振り返り、それと同時に腕の中に凄い勢いで飛び込んできたポッチャマに目を見開く。
「ポ、ポッチャマっ!!?」
「ポチャマッ!」
驚いて裏返った声で呼べばポッチャマは嬉しそうに返事をして、半泣きのポッチャマにつられて目が潤みかけ、


「その子、あなたのポケモン?」


不意に耳に届いた草の揺れる音と女の子の声に顔を上げ、────────息を呑んだ。




+++++++
2011年初up~!
あんまりアニメ見ていなかったのでヒカリの喋り方が分からない・・・・。

もう一話書いてあるので上げます。

「ヒカリ、お疲れ様っ!」
笑顔でそう言ったハルカを無言で見つめ、そして顔を逸らして溜め息を吐き出す。
「え、どうしたかも!?」
「ううん、ごめん・・・」
それを見て慌てるハルカに苦笑しながら言葉を返し、
「やっぱりハルカ強いなあと思いまして」
その言葉にハルカはきょとんとした表情になった。

「そんなことないって。それにヒカリの方こそ強くなってるかも!」
ハルカは照れ臭そうに笑いながら私の言葉を躱して、代わりに褒め言葉を返してきた。
その言葉はお世辞なのかもしれないけど、とても嬉しくて思わず頬が緩んだ。
ありがとう。
そう言おうと口を開き、


「キャーーっ!!!」


突如沸き起こった、甲高い歓声に声に出した言葉は掻き消された。


「シュウ様ーーーっ!!!」

次いで聞こえてきた名前にまたかと思いながら声がする方、一つだけ異常にギャラリーもとい女子率の高いバトルフィールドに視線を向ける。
そこでは二人のは男子生徒がバトルを行っていて、その片方──緑色の髪をした男子生徒が彼のポケモンであるロゼリアに指示を出す度にギャラリーから黄色い声が上がっていた。


歓声を一身に浴びる彼の名前はシュウ。

中等部からのエスカレーター組で、中等部の時はずっとコンテスト科の首席だったらしく、その実力は先生も一目置くほど。
おまけに容姿端麗、学業優秀、性格も二重丸だというから、本当に世界は不平等である。
そして、それだけ揃っていれば彼に惹かれる子は少なくないわけで、その数は学年、科、果てには学校を問わず数多存在しておりファンクラブまで結成されていたりする。
噂では彼に会いたい一心で入学、編入してきた子もいるとかいないとか。


今日までに耳に入ってきた、直接は交流のない男子生徒のデータを頭の中で思い起こし、そして視線を隣のハルカへと移す。
ハルカは周りと同じ様にシュウへと視線を向けていた。

ただし、ハルカの彼女の表情は何故か不機嫌なものだったが。
そして、それは黄色い歓声が上がるたびに濃くなっていく。

「・・・・・・ハルカ」
「!な、なにかもっ!?」
「あのね、」
そんなハルカを暫く眺めた後、小さく名前を呼ぶとハルカは随分慌てて返事をした。
もう見慣れてしまったその反応に、初授業の時から思っていたことを思い切って口にする。
「もしかして、っていうかもしかしなくてもハルカってシュウが・・・」
「あれっ?ヒカリ、ポッチャマは?」
「え?ポッチャマなら此処に・・・」
ハルカの言葉に足元へ視線を落とし、

「ええぇっ!!?」

さっきまでそこに座り込んでいたはずのポッチャマがいないことに目を見開き、大声を上げる。
その声に何人かが私を見たけど、それを気にする余裕もなく慌ててハルカを見る。
「ハルカ、私ポッチャマ探してくるっ!」
そしてそう告げるとハルカの返事も聞かずに走り出す。

「ヒカリ、気をつけてかも!」
「だいじょうぶっ!」

後ろから追ってきたハルカの声に後ろを振り返って言葉を返し、行方の分からないパートナーを見つけるべく強く地面を蹴った。





+++++++
これと前作は最初の予定じゃ書く予定の無かった話です。
もうしばらくはキャラが勝手に独走します。
20話になる前には予定通りの話にしたいなあ。

一年前、初めてテレビでコンテストバトルを見た時から私の夢はポケモンコーディネーターになった。
そしてその夢を叶えるために、予定していた地元の学校ではなく遠く離れた地の名門校に進学することに決めた。
正直な所その選択に不安がなかったわけではない。
寧ろ不安の方が大きかった。

だから、入学初日に君が笑顔で話しかけてくれて、友達になってくれて言葉では言い表せないくらいにとても嬉しかった。

─────────だけど今。君は私の前に立ちはだかっていた。

「・・・・・」
衣更えをして剥き出しになった腕に湿度の高いの空気が纏わり付く。
しかしいつもなら不快なそれに気にする余裕もなく、私は正面に立つハルカを睨みつけ続ける。
対するハルカは口元に薄い笑みを浮かべていて、その笑みに焦りかける自分を落ち着かせるために唾を飲み込む。
そして、

「ポッチャマ、水鉄砲!」
エネコを指差して叫んだ言葉に、ポッチャマがエネコに向けて大量の水を凄い勢いで放った。
そして、目標まであと少しという時。
「エネコ、避けて!」
落ち着いたハルカの指示にエネコは横に跳び、間一髪直撃を逃れた。
「スピードスター!!」
直後、響き渡ったハルカの声にエネコは指示通りの技を繰り出した。
「避けて、ポッチャマ!」
真っ直ぐに向かってくる技にポッチャマに慌てて指示を出す。
しかし、
「ポチャアッ!」
「ポッチャマ!!」
その指示がポッチャマに届くよりも早く、技はポッチャマに直撃した。
激しい爆風と共に私の足元へと転がってきたポッチャマに悲鳴めいた声を上げ、その体を抱き上げる。
「ポッチャマ、大丈夫!?」
「ポ、ポチャア・・・」
そして腕の中のポッチャマが目を回しながらも返してきた弱々しい声に安堵の息を吐き出す。

「お疲れ様、エネコ」
その声に顔を上げると、視線の先では膝をついたハルカがエネコの頭を撫でていた。


五戦五敗。
その光景を眺めながらハルカとの対戦結果を頭の中に浮かべる。


『本気でいくから』

初バトルの直前に真剣な表情でそう言ったハルカは、その言葉通り一切の手加減をしなかった。
────どんなに仲が良かろうとバトルフィールドの上ではそんなの関係ない。

それを知ってから、自分なりに努力をした。
だけど結果は黒星が増えていく一方で───


「今日は自信あったんだけどなあ・・・・・」
ポッチャマを頭を撫でながら嘆息と共に言葉を零し、今日もまた一つ増えてしまった黒星に静かに肩を落とした。


 

+++++++
久々更新ですー。
夏休み中に書き上げてはいたのですがなかなか上げられませんでした・・・・・。
にしてもやっぱりバトルシーンは難しいです・・・。
っていうかエネコスピードスター覚えてたっけ・・・・?

「サボり発見っ!」

不意に鼓膜を揺らした、私の心の中とは正反対にどこまでも明るい声。
その声に瞼を上げた私の目には、愉しそうに笑うハルカの姿が写った。

「・・・サボりじゃないわよ。っていうか、ハルカこそ授業はどうしたのよ?」
「先生の都合で終わったかも!」
「あっそ・・・」
上体を起こしながらそう答え、ブレザーに付いた葉っぱを払う。
「で、カスミはなんでこんな所にいるの?」
隣に座ったハルカの問いかけに脳裏にアイツの姿を浮かべて、体の中で渦巻く苛立ちを発散すべく口を開いた。

 

──────ってわけ。分かった?」

そして二分後。
愚痴を混じらせながら事の次第を語り終えた私に、ハルカは無言で一つ頷いた。
そんなハルカから空へと目を向けて、僅かに体の中に残った苛立ちを吐き出す。
「それにしても、サトシが何でそんなことを?」
「知らないわよ」
ハルカの言葉でサトシの不可解な行動を思い出して、返す声は自然と不機嫌なものになる。
「私はシンジと決着がつけたかったのに・・・」
「え、何か言ったかも?」
「う、ううんっ」
無意識に呟いた言葉に反応したハルカに慌てて首を振る。

(危なかった・・・)
ハルカに話した見学の理由の中で、私は一つ嘘をついた。
『余っていた子と組もうとしたら、サトシが割り込んできた』と、シンジの事は語らなかった。
そうしたのは、シンジを話したら先日のバトルのことを話さなくちゃいけないと思ったからで─────

「・・・・・ねえ、カスミ」
「ん、なに?」

名前を呼ぶ声に思考を止めハルカを見て、ハルカの真剣な表情に目を瞬かせる。


「サトシと・・・・・何があったの?」


その言葉に、つい一時間前に同じ様な言葉を聞いたことを頭の片隅で思い出す。
一つ違うのは、ハルカは『何か』じゃなくて『何が』と聞いてきたこと。

そんなことを考えながら、小さく息を吸う。
「いつも通り、ただのつまらない喧嘩よ」
「嘘かもっ!!」
さっきまでと同じ様に、いつもと変わらない口調で言った言葉をハルカは強い口調で否定する。
「だって・・・・・う、上手くは言えないけど・・・カスミもサトシもこの頃なんかおかしいかも!!」
そして、言葉に詰まりながらもハルカはそう言い切り、睨みつけるように私を見た。
その視線を真っ直ぐに見返しながら、私はただ口を閉ざした。
そんな私にハルカは焦れたように再び口を開き、

「集合ーーっ!」

突如響き渡った笛の音と声に、体を強張らせ声がした方に顔を向けた。
ハルカと同じように視線を動かし、教師の元へと集まっていく生徒の姿に立ち上がる。
「カスミっ、まだ話が終わってな」
「ハルカー!!」
それに気づいたハルカは声を上げるが、離れた所から聞こえてきた名前を呼ぶ声に浮かしかけた体を固まらせた。
私と声が聞こえてきた方向を交互に見るハルカを尻目に足を進め、
「カスミっ!!」
背中にぶつかったハルカの声に足を止めて後ろを振り返る。

「ハルカ」
そして、怒りながら泣きそうな顔をしたハルカに口元を緩ませ、


────ありがとう」


微笑いながらそう言って、再び響いた教師の声にハルカの声を振り切って走り出した。




+++++++
やっと書けましたー!!
なんだか無駄に長くなった気が・・・・。
夏休みが終わるまでにもう一話くらい書きたいと思ってるんですが、出来るか微妙なところです。
ううっ・・・なんでもう一ヶ月もないんだよおっ!

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