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退屈な日常とか、虚像の世界とか

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一年前、初めてテレビでコンテストバトルを見た時から私の夢はポケモンコーディネーターになった。
そしてその夢を叶えるために、予定していた地元の学校ではなく遠く離れた地の名門校に進学することに決めた。
正直な所その選択に不安がなかったわけではない。
寧ろ不安の方が大きかった。

だから、入学初日に君が笑顔で話しかけてくれて、友達になってくれて言葉では言い表せないくらいにとても嬉しかった。

─────────だけど今。君は私の前に立ちはだかっていた。

「・・・・・」
衣更えをして剥き出しになった腕に湿度の高いの空気が纏わり付く。
しかしいつもなら不快なそれに気にする余裕もなく、私は正面に立つハルカを睨みつけ続ける。
対するハルカは口元に薄い笑みを浮かべていて、その笑みに焦りかける自分を落ち着かせるために唾を飲み込む。
そして、

「ポッチャマ、水鉄砲!」
エネコを指差して叫んだ言葉に、ポッチャマがエネコに向けて大量の水を凄い勢いで放った。
そして、目標まであと少しという時。
「エネコ、避けて!」
落ち着いたハルカの指示にエネコは横に跳び、間一髪直撃を逃れた。
「スピードスター!!」
直後、響き渡ったハルカの声にエネコは指示通りの技を繰り出した。
「避けて、ポッチャマ!」
真っ直ぐに向かってくる技にポッチャマに慌てて指示を出す。
しかし、
「ポチャアッ!」
「ポッチャマ!!」
その指示がポッチャマに届くよりも早く、技はポッチャマに直撃した。
激しい爆風と共に私の足元へと転がってきたポッチャマに悲鳴めいた声を上げ、その体を抱き上げる。
「ポッチャマ、大丈夫!?」
「ポ、ポチャア・・・」
そして腕の中のポッチャマが目を回しながらも返してきた弱々しい声に安堵の息を吐き出す。

「お疲れ様、エネコ」
その声に顔を上げると、視線の先では膝をついたハルカがエネコの頭を撫でていた。


五戦五敗。
その光景を眺めながらハルカとの対戦結果を頭の中に浮かべる。


『本気でいくから』

初バトルの直前に真剣な表情でそう言ったハルカは、その言葉通り一切の手加減をしなかった。
────どんなに仲が良かろうとバトルフィールドの上ではそんなの関係ない。

それを知ってから、自分なりに努力をした。
だけど結果は黒星が増えていく一方で───


「今日は自信あったんだけどなあ・・・・・」
ポッチャマを頭を撫でながら嘆息と共に言葉を零し、今日もまた一つ増えてしまった黒星に静かに肩を落とした。


 

+++++++
久々更新ですー。
夏休み中に書き上げてはいたのですがなかなか上げられませんでした・・・・・。
にしてもやっぱりバトルシーンは難しいです・・・。
っていうかエネコスピードスター覚えてたっけ・・・・?
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