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退屈な日常とか、虚像の世界とか

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「うわぁ・・・」

視界に入った、ピンク色に染まった桜の木に感嘆の声が出る。
歓喜の声を上げながら、ルフィとウソップが木に向かって一直線に走っていく。
いつもなら一緒に走っていくけど、今日はゆっくりと歩く。

 

ドクター。


心の中で、届くはずのない名前を呼ぶ。



またドラム島には、桜が咲いたかな?

 


目の前の桜の木を見た時、真っ先に思い出したのはドラム島に咲いた、桜のこと。

 

ねえ、ドクター。

 

「チョッパーっ!!!」

 

ルフィの思わず耳を塞ぎたくなるほどの大声に飛び上がり、

「わっ!?」


転びそうになるほどの突風が吹き、それと共に、


「うわぁ・・・・・・・っ!!」


数え切れないほどの花びらが空を舞った。

 

「お前も早く来いよーっ!」


桜の木に上ったルフィが、大きく手を振る。
桜の木の下で、いつの間にか揃っていた全員が、おれを呼ぶ。


それを見て、無性に胸が熱くなって。

「チョッパーっ!!」
「今行くっ!」


桜が舞う中を走り出した。

 


ねえ、ドクター。



散りゆく桜に君を見た
(おれは元気だよ)

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私は、リン。


鏡に映る、私じゃない男の子に言う。

彼も何か言ってるみたいだけど、何も聞こえない。


君の名前は?


問いかけ、耳を澄ますが、聞こえるのは自分の呼吸の音だけ。



ねぇ、こっちにおいでよ。



言い、手を伸ばす。

けれど、手のひらに触れたのは、温かい君の手ではなく、


「あぁ・・・・・・そうだよね」


滑らかで、冷たい鏡。

 

君は鏡に映った虚像。

それは変えることのできない現実。


それでも、私はこの現実を変えたいと願っている。




鏡の中にある、虚像と現実
(この鏡を割ったら、君はこっちに来れる?)

暗い闇の中、隣にあった温もりが消えた。

待って、待って!

必死に温もりの断片を掴もうとする私の指をすり抜けて、温もりは闇に吸い込まれ、

───────

不意に、耳元で囁かれた言葉に振り返る。


 

「ツナ君・・・っ!」

叫びながら体を起こせば、視界に映ったのは自分の部屋。
閉め切っていないカーテンの隙間から、陽気な日差しが差し込んでいる。

そんな、いつもと同じ景色に何故かとても安堵し、

でも、

本当に、夢・・・・・・?

胸に残る嫌な感じが拭い切れない。

 

『ばいばい、京子ちゃん』
 

嫌に耳の奥に鮮明に残るツナ君の声に、両手で体を抱く。

どうして、体が震えてるんだろう。





夢を見た。愛する君が消える夢を
(私は、夢だと言い聞かせる)(それを否定する心を肯定しないために)

「・・・」

仰いだ空を、鳥が緩やかに翔んで行く。
・・・なんかムカツク。

この空と同じ色の瞳を思いだし、胸が高鳴る。
慌てて空から視線を下ろし、首を振る。

なんで。

動悸が治まらない胸を押さえ、深く呼吸をする。

『ナルトを思うと、おかしい』

二人きりになった時を見計らって、そう切り出した私に、
いのは意地悪く笑い、ヒナタは恥ずかしそうに笑い、綱手様は遠慮する事なく大声で笑った。

そして、その反応に首を傾げる私にまるで打ち合わせたように三人は言ったのだ。

『遅かったわね』
『遅かったね』
『遅かったな』

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・なにがだ。

問い詰めても、返ってくるのは(ヒナタでさえも)意味深な笑みだけで。

結局、今も分からない。

なんか、屈辱だ。
私が分からない問題があの三人(特に、いの)には分かっているなんて。


「サクラちゃんっ!」
「!」

名前を呼ぶ声に、治まりかけていた心拍数が再び跳ね上がった。

ゆっくりと視線を動かせば、あいつが手を振りながら、走って来ていた。
満面の笑顔を浮かべながら。


とくん、


そして、今日も私は答えの分からない、この胸に満ちる感情に頭を悩ませるのだった。


知識では解けない方程式
(なんで、名前を呼ばれるだけで嬉しいの)

「レンーっ!」

叫びながら、レンの部屋のドアを開けると、ベットの上で胡座をかいて楽譜を見ていたレンは驚いた顔をして、そして溜め息をついた。

「なに、リン」
「レン、新しい曲貰ったんでしょっ?歌って!」

レンの正面まで行き、笑顔でそう言うと、

「嫌だ」

レンは目茶苦茶嫌そうな顔で切り捨てた。

「なんで?」
「まだ全然練習してないから、無理」
「リンは、別にしないよ」
「オレが気にするんだよ」

取り付く島もないレンの返事に、頬を膨らませる。

・・・しょうがない。

レンの隣に座り、訝しげな顔で見てくるレンの首に手を回して、抱きつく。

「・・・リンさん?」
「レンが歌ってくれるまで、離れないー」

拗ねたように言えば、レンが折れるのは知っている。

「・・・分かったから」

そして、予想通りにレンは溜め息と共にそう言い、小さく息を吸うと、

「大好きだよ」

耳元でそう囁いた。

「・・・へ?」

いきなりの台詞に、思わず間抜けな声を発し、レンを見つめていると、

「歌の歌詞っ!勘違いすんなよ、馬鹿っ!」

自分の首に回る腕を外したレンが、顔を真っ赤にして叫んだ。




小さくつむいだ歌声は誰の為?
(レン、勘違いって何?)(ーっ!わ、忘れろっ!)

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