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退屈な日常とか、虚像の世界とか
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「レンーっ!」
叫びながら、レンの部屋のドアを開けると、ベットの上で胡座をかいて楽譜を見ていたレンは驚いた顔をして、そして溜め息をついた。
「なに、リン」
「レン、新しい曲貰ったんでしょっ?歌って!」
レンの正面まで行き、笑顔でそう言うと、
「嫌だ」
レンは目茶苦茶嫌そうな顔で切り捨てた。
「なんで?」
「まだ全然練習してないから、無理」
「リンは、別にしないよ」
「オレが気にするんだよ」
取り付く島もないレンの返事に、頬を膨らませる。
・・・しょうがない。
レンの隣に座り、訝しげな顔で見てくるレンの首に手を回して、抱きつく。
「・・・リンさん?」
「レンが歌ってくれるまで、離れないー」
拗ねたように言えば、レンが折れるのは知っている。
「・・・分かったから」
そして、予想通りにレンは溜め息と共にそう言い、小さく息を吸うと、
「大好きだよ」
耳元でそう囁いた。
「・・・へ?」
いきなりの台詞に、思わず間抜けな声を発し、レンを見つめていると、
「歌の歌詞っ!勘違いすんなよ、馬鹿っ!」
自分の首に回る腕を外したレンが、顔を真っ赤にして叫んだ。
小さくつむいだ歌声は誰の為?
(レン、勘違いって何?)(ーっ!わ、忘れろっ!)
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