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退屈な日常とか、虚像の世界とか

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「ねぇ、ツナ君」

一歩先を歩くツナ君の背中を呼ぶ。

「なに?京子ちゃん」

振り返ったツナ君は、いつもと同じ笑顔。

なのに。


体が震えた。

唾を飲み込んで、口を開く。

「お昼の人達、誰」
「なんでもないよ」

言葉を遮られる。
ツナ君の声と、口許に浮かべられた、冷笑に。

「京子ちゃんは気にしなくていいから」

そう言って微笑むツナ君は一瞬前とは違う、とても優しい笑顔で。

その笑顔に泣きそうになり、顔を俯かせる。

「帰ろっか」

優しげなツナ君の声に顔を上げ、目を見開いた。

「京子ちゃん?」

訝しげなツナ君の声に、小さく頭を振り、歩き出す。
視線を俯き加減にして。
赤く染まる空を見ないように。


優しく笑うツナ君の、後ろに広がる夕空が何故か。



哀しみに染まる秋空
(血のように見えるの。)

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きぃ

放課後いつものように神狩屋を訪れた蒼衣は、扉を開けて棚の間を横切る。

「こんにちはー」

そう言いつつ棚を抜けた蒼衣の視界に入ったのは、少し開けた場所に置かれたテーブル。

そして、

「雪乃さんっ!?」

椅子に座る雪乃。

その雪乃の姿を見て、蒼衣は思わず声を上げた。
その理由は、雪乃の白い肌がさらに青ざめていたから。
そして、雪乃が右手で左手を押さえていたから。

赫い血が流れる左手を。

「もしかして泡禍に遭ったの…!?」
「違うわよ」

駆け寄る蒼衣を雪乃は冷たい声で制すと、鞄から白い包帯を取り出す。

「でも血が…」
「切ったのよ」

手際良く左手に包帯を巻いていく雪乃の返答に蒼衣は小さく息を飲んだ。

「雪乃」
「五月蠅い。殺すわよ」

言葉を遮られた上に、物騒な言葉を言われた蒼衣は苦笑いをする。
そして近くの椅子に座り、雪乃の左手に巻かれた真新しい包帯を見ながら、頭の中で雪乃の言葉を反芻するのだった。





手首に巻かれた、雪にも似た白さの
(雪乃さん。あんまり自分を傷つけないでね。折角綺麗な肌なんだから)(───白野君、殺すわよ)

昼下がり。
床に座り込んで本を読んでいたら、聞こえて来た足音に顔を上げる。

その直後、

「レン、聞いて聞いて!マスターが新曲くれたのっ!」

頬を上気させたリンが部屋に飛び込んで来た。

「あー、そう。良かったな」

そう返し、再び本に視線を落とすと、

「それだけっ!?」

リンの大声。
まあ、それはいつものことで、つまりはもう慣れたので特に反応はしない。
しないでいると、とことことリンが近付いてきて、

「いっ!?」

突然背中に乗られ、その勢いで本に顔をぶつける。

「リンー?」
「レンが悪いのー」

ご機嫌斜めな感じのリンの声に溜め息をつき、背中の重さを押し返す。

「あ、そだ」

その途中に、いきなりリンが退いたために仰向けに倒れそうになるのを必死で堪える。

退いたリンはというと、今度はオレの背中に自分の背中を合わせて座った。

「なに?」

リンの行動が分からず声をかけようとして、遮られた。
正確には、自分から口を閉じた。
リンが、歌い出したから。
その歌は、聴いたことのない歌で。

(新しい曲、か)

リンの柔らかな声で紡がれる音に、目を閉じ耳を澄ます。

(っていうか、これ)

耳に流れ込んで来た歌詞に目を開ける。

「ラブソングかよ」

そう呟くと、歌が途切れ背中にかかる重さが僅かに重くなった。

「メイコお姉ちゃんがレンに聞かせて来い、って言ったの」

そう言い、リンは小さく笑うのが背中越しに伝わって来た。
メイコ姉、何やってくれてんだよ・・・。

「で、どう?」
「音外れまくり。もっと練習してから来いよ」

リンの問いにそう返すと、間髪入れず頭を殴られた。
正直、かなり痛い。

「レンの馬鹿っ!もう歌ってあげない!」

リンはそう言い捨てると、部屋を飛び出して行った。
再び静かになった部屋で溜め息をつく。

頭の中で響くのは、リンの歌声。
そして、ワンフレーズ。

「早く気付いて、ねぇ…」

呟き、再び溜め息。

そう歌ったあいつは気付いてない。
オレの気持ちに。
不意に、意地悪く笑うメイコ姉の顔が頭の中に浮かぶ。
それを消す為に軽く頭を振り、そして膝の上に置いていた本を閉じる。


まったく。


立ち上がり、頭を掻きながら扉に向かう。


「いい加減、気付いて欲しいのはこっちだっての」


呟いた願いは、果たして何時叶うのだろうか。





背中合わせの恋の歌

(レンー、リン相当怒ってたわよー)(メイコ姉・・・楽しそうだね・・・)(ふふ、そう見える?)

「あ、山本君だ」

不意に、隣を歩いていた京子が楽しげな声を上げた。

「どこ?」
「ほら、あそこ」

そう言うと、京子は校庭の端っこに居る集団を指さす。

「見えた?」
「うん、まぁね」

その集団の中心となっている場所で両腕を頭の上に振り上げている男子、山本。
いる場所はマウンド。
ダイアモンドの中心。

その腕が振り下ろされ、バッターボックスにいた男子のバットが回る。

「ストライクッ!」

わぁっ、と京子が感嘆の声を上げる。

「あれ、沢田と獄寺じゃない?」

3アウトを取ったのか、攻守を入れ替わる男子から視線を外すと、少し離れたところに同じように観戦している沢田と獄寺が居た。

「あ、ほんとだ!ツナ君、獄寺君!」

名前を呼ばれ、驚き赤面する沢田に嘆息しつつ、先に走っていった京子の後を追う。

「あ、黒川。次、山本の打席だよ」
「なんで私に言うのよ」

そう沢田に返した時、山本がバッターボックスに入った。

振りかぶったピッチャーの腕が振り下ろされて、その手から白球が飛びだして、
山本がバットを振る。



金属音。



校庭に散らばっていた男子たちが、空を仰ぐ。
白いボールは青い空を切り裂いて、外野を越えて、校庭の端っこに落ちた。

「よっしゃぁっ!」

バッターボックスで山本がガッツポーズをする。

「山本、凄い!ホームランだ!」
「格好いい!」

わぁっ、と騒ぐ沢田と京子の声に気づいてか、山本が私達を見て、笑った。

「凄いね、花!」
「凄い?」
「ふふっ、ほんとは凄いって思ってるくせに」

悪戯っぽく笑う京子の頭を軽く叩いて、ダイアモンドを回る山本に視線を移す。

彼奴がバッターボックスに入って、バットを構えた時。
ぎりぎり見えた彼奴の表情に、

思わずドキリとした。


いつもは見せないような、真剣な表情。
いつもガキって思ってたけど、そんな考えが吹っ飛んで。

「黒川!」

ホームベースを踏んだ山本が、名前を呼んだ。

「スゲェだろ?」

得意げに笑うその表情に、思わずつられて小さく吹き出した。

「スゲェじゃないの」

そう言い返すと、隣で押し殺し損ねた京子の小さな笑い声がした。





空へと弾かれた真っ白なボール
山本君、花が見てるって知ってたでしょ?)(おう。だから、ここは格好いいとこ見せようと思ってな。俺、猿とか言われてるんだぜ?)(ちょっと、何こそこそ話してるのよ?)

お題サイトをやっている友人のサイトであまりにも(管理人的に)REBORN!にピッタリなお題を見つけました!
ので、これから此処でupしていこうと思います!

いや、それというのもハマってしまったのが選択式お題でして。現段階で総数が250あるので・・・。
思いついたのから此処でupして、ログとしてサイトの方にはupしていきます。


<Dice&Doom>
http://manjyusyage.xxxxxxxx.jp/
素敵なお題があるので、一度行ってみてはいかがでしょうか?
ほんと薺ちゃん愛してる!(キモイ

(※此処からリンクさせると同窓になってしまうので、カテゴリの配布元もしくはサイトのLINKでリンクさせています。)


あ、もしかしたら、このお題(というか、題名)を使って長編を書くかもです。

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