Repeat:
退屈な日常とか、虚像の世界とか
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
「ねぇ、ツナ君」
一歩先を歩くツナ君の背中を呼ぶ。
「なに?京子ちゃん」
振り返ったツナ君は、いつもと同じ笑顔。
なのに。
体が震えた。
唾を飲み込んで、口を開く。
「お昼の人達、誰」
「なんでもないよ」
言葉を遮られる。
ツナ君の声と、口許に浮かべられた、冷笑に。
「京子ちゃんは気にしなくていいから」
そう言って微笑むツナ君は一瞬前とは違う、とても優しい笑顔で。
その笑顔に泣きそうになり、顔を俯かせる。
「帰ろっか」
優しげなツナ君の声に顔を上げ、目を見開いた。
「京子ちゃん?」
訝しげなツナ君の声に、小さく頭を振り、歩き出す。
視線を俯き加減にして。
赤く染まる空を見ないように。
優しく笑うツナ君の、後ろに広がる夕空が何故か。
哀しみに染まる秋空
(血のように見えるの。)
PR
この記事へのトラックバック
トラックバックURL: