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退屈な日常とか、虚像の世界とか

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馬鹿だ。

走りながら心の中でその言葉を吐き出し、歯を食いしばる。
立ち止まって荒い息のまま左右を見回し、ひりつく喉に空気を吸い込み、

「ルリリーっ!!」

数分前、この腕の中から何処かへと消え去ったパートナーの名前を叫んだ。


まさか昇降口であいつを見るとは、自分があんなに動揺するとは思わなくて。
だから、新学期特有の熱気に当てられたルリリが、腕の中から飛び出したことに対する反応も遅れて。


頭の中で思い出した自分の失態に顔を俯けて拳を握り。


「なんだ、お前」

耳に届いた男子の声に顔を上げて声が聞こえてきた数メートル先に聳える、普段は自分に立入禁止としている森の方を見る。
それを前に数秒間迷った末、意を決して森へと近づいていく。
森に入る直前に一回大きく息を吸い込み、繁った草を掻き分けて森の中へと足を踏み入れる。
途端に下がった気温に身体が震え、しかし止まりそうになった足に力を入れて奥へと入っていく。

出てこないで、何にも出てこないで!!

心の中で全力で叫びながら足を進め、

「っ!!?」

突如、前方の茂みが大きく揺れ、それ以上に心臓が大きく跳ねた。
緊張と恐怖でその場に立ち竦み、徐々に近づいてくる揺れに唾を飲み込む。

そして。

「なんだ、お前」

茂みの向こうから現れた男子生徒が発した、数分前に聞いた物と同じ声と台詞に目を瞬かせ、
「ルリっ!!」
「ルリリっ!!」
その彼の片腕の中で元気に鳴いたルリリに大きな声を上げ、ぴょんと彼の腕から抜け出て広げた腕の中に飛び込んできたルリリを抱きしめる。

「ありがとう」
顔を上げてそう言うと、紫色の髪をした彼は眉を寄せて不機嫌そうな表情になった。




+++++++
学パロうpー。
ついさっき書き上げました!ふう、間に合って良かった・・・・。
けど、明日のバレンタイン小説が全然書き上がってません・・・汗
が、頑張って書きます!間に合わないかもしれませんが・・・。

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一年B組。
ドアの横に下がった真新しいプレートを見上げて、小さく息を吐き出す。
ドアの向こうから伝わってくる張り詰めた空気に掌を握りしめ、

「カスミ、なにしてるの?」
「きゃあっ!」

背後からかけられた声に叫び声を上げて後ろを振り返る。

「あ・・・シュウ・・・」

そして、そこにいた顔馴染みの男子生徒にほっと安堵の息を吐き出す。
「ごめん、驚かせちゃって」
「僕こそ。・・・で、こんな所でどうしたんだい?」
「なんか緊張しちゃって・・・・」

そう言って苦笑いをするとシュウはふうんと短く返してきた後、ドアに手を伸ばて。
「そういえば、カスミ」
「なに?」
「ルリリ連れたままだけどいいの?」
「え?」
シュウの指摘に視線を下げると、腕に抱いたパートナーであるルリリの丸い目と視線が交わった。
「校則第37項、校内においてポケモンはモンスターボールに入れなくてはいけない」
「あっ!」
並べられた言葉に弾かれたように顔を上げ、若干呆れたようなシュウを見る。
と同時にチャイムが鳴り響いた。

「あー、えっと・・・シュウ」
「担任には上手く言っといてあげるよ」
「ありがとうっ。今度、何か奢るから!」
溜め息混じりのその言葉に踵を返し、一瞬にして人気が無くなった廊下を走り出した。




+++++++
三話うpしましたー。
視点的にはカスミです。
抱えてるのをトゲピーにしようか迷ったんですが、AG組が出てるのでルリリにしました。
でも、自分的にあそこのポジションはトゲピーのものだと主張したい。

「行ってきまーす」
慌ただしく玄関の扉を開けて、大きめの声で家の中に声をかける。
いってらっしゃいという言葉を聞きながら外へと飛び出して、学校への道のりを走り出した。
入学祝いにと新しく買ってもらったシューズはまだ足に馴染んでいなくて、何となく走りにくい。
だけど、こうやって足を動かすのが億劫なのはきっと今朝の、正しく言えば昨日のあれが原因だ。

意気揚々とこの道を走ったのは二十四時間前のこと。


春とはいえ、まだ少し冷たい風に小さく文句を呟き、不意に視界に入った桜の木に足が止まった。

『ごめん、サトシ』
それと同時に頭の中で響いたカスミの声に奥歯を噛み締め、拳を握る。

「サっトシー!」

と、その時後ろからかけられた声に拳を解き首を回すと、同じ高校の制服を着た女生徒が走ってくるのが目に入った。
見知ったその人物にふっと口元を緩め、口を開く。

「はよ、ハルカ」
そう言うと、隣まで来た中学以来の悪友であるハルカは、荒い呼吸をしながらおはようと言葉を返してきた。
そのままハルカの呼吸が元に戻るのを待つこと十数秒。

「あれ、ピカチュウは?」

やっと呼吸を整えたハルカが開口一番に言ったのはそれだった。
ズボンから携帯を取り出し時刻を確認して、歩き出しながら答えを口にする。
「家」
「へえ、珍しいかも!」
「そうか?」
やけに大きく反応をしたハルカに訝しげな表情を作ると、ハルカはにやりと口角を上げて、

「あぁ、もしかしてカスミとクラス離れちゃったからショックで寝てるとか?」

楽しげに笑いながら推測を述べた。
 

俺の拳が強く握られたことも知らずに。



「・・・んなわけねーだろ」
「全然あるかもっ!ピカチュウはサトシと違って素直だからね!!」
搾り出すようにそう言うとニヤつきを濃くしたハルカは意味深に笑って俺の反応を待った。
そんなハルカを一瞥して吐きだしそうになった溜め息を飲み込み。

「・・・何が言いてぇんだよ。つーか、遅刻するし先行くぞ」

そう言うとハルカの返事も待たずに学校へと向けて走り出した。

 


+++++++
ポケモン学パロ二話目です。
一応、一週間に一話くらいのペースを目標にやってければ・・・・とか思ってます。

一ヶ月前は蕾だった桃色の花弁が柔らかい風に乗ってひらひらと舞い降りて来る。
そんな春真っ盛りな今日は高校入学式当日。

なのに。
なんでそんな祝いの日に俺は、


「ごめん、サトシ。・・・・・別れよう」


フラれているんだろう。

 

 

「サトシー、起きなさいーっ!」
鼓膜を叩いた大きな声にぱちりと目を開いた。
そしてカーテンが開けられた窓から差し込み顔に降り注ぐ太陽の光に目を細め、体を起こす。
首を回して枕元に転がった時計で登校時間まで時間があることを確認し、
「・・・・・」
未だ頭の中に残る悪夢の残像に、

否。

「・・・・っんでだよ」
紛れも無い事実に表情を歪めて言葉を吐き出し、くしゃりと前髪を掴んだ。

 

+++++++
突発的に思いついたポケモン学パロ小説。なんか、続くっぽいです。
気力とネタがあれば。
まだ何処まで書けるかわかりませんが、偶にうpしようと思います。

さて、この記事を読んだ人の記憶にある内に次の話が書けるかどうか。
まあ、頑張ります。

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