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退屈な日常とか、虚像の世界とか

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(軽いけど)グロ表現注意!







噎せ返るほどの鉄の匂い。
部屋と己の体を染める、赫。夥しい程の血。
床に広がる血の海に身を横たえるそれらを見下ろす。
それは、惨たらしい有様の三つの肉塊。
その中の一つを蹴る。
ぐしゃり、と湿った肉の感触。
その感触に、思わず笑みが広がる。

これで、もう。


きぃ

小さな、扉が開く音。
そして、息を飲む音。

「レン?」

震えた声で名前を呼ばれ、振り返ると

「リン」

真っ青な顔をしたリンが扉の所で呆然と立ち尽くしていた。

「メーコお姉ちゃん・・・カイト兄・・・ミク姉・・・?」

リンは、震える声で床に転がる肉塊───数十分前まで生きていた、家族だったそれの名前を呼ぶ。

「リン」

名前を呼ぶと、リンは視線を俺に向けた。

「レン・・・なんで・・・ねぇ、なんでっ!?なんで、こんな・・・」

話している途中で、その場にへたりんだリンは、頬に幾筋も涙を伝わせながら、なんで、と繰り返し何度も叫ぶ。
ぎゅう、と震える体を両腕で抱きながら。

「だって、必要なかったから」
「ひつ、よう・・・?」

そして、返ってきた俺の言葉をゆっくりと繰り返す。

「こんな人達、俺たちには必要ないんだ」

そう言いながら、リンに歩み寄る。

「だって俺たちは何時も二人だっただろ?」

その言葉に、リンの体が小さく震える。

「大丈夫。何も変わらない。ただ、昔に戻るだけ」

リンの正面に屈み目線を合わせて、笑う。

「リン」

まだ涙が伝う白い頬に手を添える。

「リン、愛してる」

そう言い、リンの赤く艶やかな唇を塞ぐ。


狂気の沙汰は愛故に

(つまらないお儘ごとはもうお終い。)(なのに、なんでそんなに泣くの?)

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