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退屈な日常とか、虚像の世界とか

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(やべえっ!!!!)

ホームルーム終了一分後、新一は鞄の中を見て叫び声を上げた。
そして鞄の中身を机の上に広げ、それからわたわたと机の中を覗き込む。
しかし、そこにも目的の物が無いことが分かると机の上はそのままに、階段が近い方の扉へと向かい、
「新一、帰り何処かに・・・」
「悪いっ!俺急いでるから!」
蘭の声に叫ぶように言葉を返して教室から飛び出した。
そして階段を数段飛ばしで駆け降りて昇降口に至り、自分のロッカーから靴を取り出し上履きと履きかえる。

(提出が五時までで、今が四時半だから・・・・間に合うか!?)

頭の中で計算をすると全速力で走れば何とかぎりぎり間に合うという答えが出て、それを希望に走るのに集中して走り、

「何をそんなに慌てているのかしら?高校生探偵さん」

校門を出ようとした瞬間、不意に聞こえた声に急ブレーキをかけ声がした方を振り返る。
そして、

「!宮野っ!!」
校門横のブロック塀に背を預けて立っている志保の姿に目を丸くした。

「お前、なんでここに・・・!」
「届け物よ。はい、これ」
「届け物・・・?」
新一の言葉に志保は気怠そうに壁から背を離し、彼に飾り気のない紙袋を差し出す。
それを不思議そうに見ながら志保の手から受け取り、
「ああっ!!」
中に入っていた、まさにたった今から家に取りに行こうとしていた分厚いファイルに驚いた声を上げた。
「これっ、どうして」
「昨日貴方が必死にやってたから届けた方がいいかと思ったのよ。言っておくけど、買い物のついでだから」
いつもと変わらない抑揚のない口調で言われた言葉に新一は目を瞬かせ、
「~宮野ーっ!!」
「ちょっ、ちょっとっ!!?」
そこが学校の前であることも忘れて、心の底から湧き上がってきた幸福感に任せて志保を抱きしめた。

 

翌日、数人の目撃者によってそのことが爆発的に全生徒の間に広がり彼が冷やかしを受けたのは言うまでもない。
 



------------------
やっと新志書けたー!
書くの楽しかったですvまた書きたいなー。
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