Repeat:
退屈な日常とか、虚像の世界とか
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※中学生コ哀
「灰原っ」
休み時間終了間際、前の扉から聞こえてきた声に教室内の空気がにわかに色めきだった。
女子の熱い視線を浴びながら、しかしそれを全く気にする様子もなく私の机へと向かって来る江戸川君に、隣に立っていた吉田さんが薄く頬を染めた。
「コナン君、おはようっ」
「おはよう、歩美ちゃん」
勢い込んで朝の挨拶をした吉田さんに江戸川君は笑って挨拶を返し、その笑顔に吉田さんの顔が一層赤く染まる。
それを横目に見て、そして音を立てずに椅子を引いて立ち上がり、自分の机から離れようとして、
「なに逃げようとしてるんだよ」
そんな言葉と共に腕を掴まれて肩越しに後ろを振り返り、口端を上げた笑いに口を開く。
「逃げる?変な言い方しないでくれるかし・・・・」
「灰原、ちょっと来い」
「ちょ、ちょっと!」
江戸川君が掴んだ手を振り払おうとして、それよりも先に更に強く手を掴まれる。
そして、抵抗する私を問答無用に引っ張って扉の方へと歩いて行った。
教室から連れ出された私の背中には幾数もの視線と授業開始を告げるチャイムの音が突き刺さった。
「・・・・・江戸川君」
やや早足に何処かへと私を連れて行く江戸川君に声をかけるが、返事はなし。
小さく溜め息をつき、沈黙を貫く背中に言葉を続ける。
「学校であまり私に接さないで。この前も言ったでしょ?」
授業が始まっているために無人の廊下は呟きと言っても良いほどの声量の言葉を大きく響かせる。
しかし、やはり返って来ない返事に再び溜め息をつこうとして、
「お前、そんなに俺と噂になるの嫌なのかよ?」
やっと返ってきた、不機嫌な声で言われた言葉に唇を震わせた。
そして足を止めて振り返った江戸川君を見て、口を開く。
「・・・・だって、いちいち対応するの、いい加減面倒になったのよ」
そう言うと江戸川君は呆けた顔をして。
それから、
「へー、そうなんだ」
満足そうに笑った。
その勝ったような笑みがやけに気に障って、
「やっぱり俺、お前のこと好きだわ」
さらりと言われた台詞に絶句し、
「馬鹿じゃないの」
そう言って、そっぽを向いた。
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先日の記事にて言っていた、はまってしまったCPです、コ哀です。
哀ちゃんが好きです。コナンと絡んでるともっと好きです。
自分としては珍しく、主人公×ヒロインでは無いです。
しばらくは日記でうpします。