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退屈な日常とか、虚像の世界とか

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「サトシ遅かったかも」
「うるせーな、混んでたんだよ」
教室に戻って早々、唇を尖らせて文句を言ってきたハルカの前に購買で買ってきたパンとジュースを落とし、隣の机に腰掛ける。
「つーか、俺学食って言わなかったか?」
「そうだったっけ?」
教室と購買の道程で思い出した、自分の発言とハルカの要求の微妙な違いを問いかけるとハルカは紙パックのジュースにストローを挿す手を止めて首を傾げた。
そしてハルカは暫く考える素振りを見せた後、
「まあ良いじゃない、こっちの方が安いんだし」
口角を上げてそう言うと、紙パックにストローを挿した。
そして挿したばかりのそれに口を付けて中身を吸い、
「それにヒカリが弁当だから」
机に置いた後、そう言った。

「ヒカリ?」
聞き覚えのない名前に思わず聞き返すと、ハルカは途端に怪訝そうな表情になった。
「シンオウからの新入生。自己紹介聞いてなかったの?」
呆れたように聞き返してきたハルカに沈黙を返し、その場から去ろうと机から立ち上がり。

「ハルカ、ごめんっ」

そう言いながら教室を横切ってくる見知らぬ女子に動きを止めた。
(可愛い子だな・・・)
近づいてくる彼女を見ながら頭の中にそんな思いが浮かび、ふと周りを見ると教室中の男子が彼女を見ていることに気づいた。
「ハルカごめんね!?待った!!?」
「ううん、私も今パンが来た所だから問題無いかも」
横まで来た彼女にハルカは笑いながら自分の前に置かれたパンを指差し、それを聞いた彼女は頬を緩めて微笑した。
(ああ、そうか、この子が・・・)
そのやり取りを見て、彼女がハルカの言っていたヒカリというクラスメートなのだということに思い至る。
濃い青みがかかった長い髪に同系色の瞳。
静かさがあるその色は鮮やかなあいつの色とは正反対で―――
「あの・・・」
不意に鼓膜を揺らした声に我に返ると、声の主であるヒカリが不思議そうな表情をして俺を見ていた。
「なに?」
「あ、えっと・・・サトシ君お昼は?学食?」
「いや。弁当だけど」
「ほんと!?それなら一緒に食べない?」
ヒカリのその言葉に、それまで彼女に向けられていた視線が一斉に殺気を伴って俺に向けられたのが分かった。
「良いのか?」
それらを無視して彼女ではなくハルカに聞き返すと、ハルカは驚いたように目を瞬かせた。
「別に構わないわよ、私は」
含みのある返答に眉を寄せるとハルカは俺の腕を引っ張り耳に口を近づけた。
そして、

「カスミは良いの?」

囁かれたその言葉に返そうとした言葉を音にする寸前で飲み込み、

「良いんだよ」


そう言って、ハルカの手を振り払った。


 

+++++++
ひっさしぶりの更新ですー。
昨日から学校始まったので、ちょっと書いてみました。テスト勉強の息抜きも兼ねて。
テストやばいですー。昨日も三科目あったんですけど、綺麗に忘れてました。汗
クラスの方は去年と同じ担任なのもあってか、去年の面子が多くて嬉しい限りでした。

サイトの方もテスト終わったら更新するようがんばりますっ!!
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