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退屈な日常とか、虚像の世界とか

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聞こえるのは、音を立てずに吹く風によって起こる幾数もの葉擦れの音。
それを聞きながら目の前の不機嫌そうな表情をの少年を見て、そこでふと彼が記憶の中にあることに気づきいて小さく声を上げた。
「貴方、確か同じクラスの・・・」
そこまで言いかけて、不意に遠くから聞こえてきたチャイムの音に空を仰ぐ。
音の余韻が空気に溶けた頃、自分が授業をサボっている事に気づき慌てて教室に戻ろうと、そしてそれを彼にも伝えようと視線を下ろし、

「ちょ、ちょっと!?」

いつの間にか森の奥へと進んでいた彼に声を上げ、しかし全く足を止める気配のない彼を後を慌てて追い、その腕を掴む。
「何処行くのよ!?」
「貴様には関係ない」
そう言うと邪険に私の手を払い再び足を進めた彼に、数秒前まであった感謝の気持ちが薄れて代わりに沸々と苛立ちが沸き上がってきた。
しかしなんとか怒鳴りたい気持ちを抑えて、彼を止める言葉を探して、
「授業は!?」
見つけ出し、音にしたその言葉に彼は足を止めた。
望んだ結果に心の中でガッツポーズをしながら振り返った彼を見ると、
「そんな下らないものに縛られているなんて愚かだな」
彼は鼻を鳴らし、口元に嘲笑を浮かべながら見下すような口調でそう言った。
「なっ・・・!」
思いもしなかった返答に絶句した私に彼―改め奴は一瞥をくれてから、森の奥へと進んでいこうとして。

「・・・分かったわよ」

喉の奥から搾り出した私の声に、足を止めてさして興味なさそうに首を回してこっちを見た奴を睨みつけながら、右手をスカートに伸ばす。
「口で聞かないなら力を使うまで」
言って、訝しげな表情になった奴に向けてモンスターボールを握った右手を突き付けた。
それを見た奴は僅かに目を細くして、それから体ごと私に向き合った。
「なんのつもりだ?」
「私が勝ったら言う事聞いてもらうわよ」
それを聞いた奴は面倒臭そうに、しかし少しだけ熱が灯った視線を私に向け、

「精々ほざいとけ」

あのムカつく口調でそう言うと、ズボンのベルトからモンスターボールを外し。



空気を揺らした、鐘の音。



それを合図に、二つのボールが宙に投げられた。





+++++++
テスト中にも関わらず、きっちりうpしてしまいました。
休み挟んでいるからといって気抜きすぎだ、自分。
ダイパはルアーとトゲ様の回以外観たことがないので、奴の口調とか全然わかりません。すいません。
気づけばカスミ視点三回目。そろそろ視点変えようかな。

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