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退屈な日常とか、虚像の世界とか
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「ん・・・・んん?」
あれ、おかしい。
たった今導き出した答えに違和感を感じ、首を傾げて過程を見直す。
だけど何度見直しても答えは同じものになってしまう。
それなら正答なんじゃないかと思うけど、間違ってる気がしてならない。
「はぁ・・・・」
重い息を吐き出し、ペンから手を離し椅子の背にもたれ掛かる。
綱手師匠の下で修行を始めてから半年。
師匠が教えてくれる内容は、アカデミーの頃の勉強なんかと全然比べものにならないくらいに難易度が高い。
勉学に関してだけは持っていた優越感も、この半年間で完膚なきまでに叩き潰された。
(・・・ダメだ・・・)
胸中で広がり始めた劣等感を振り払うように頭を振り、しかしまたすぐに沸き上がってくるそれに重い息を吐き出す。
そして力無く目を閉じて、思考を暗闇に沈めようとして。
『サクラちゃんっ』
不意に頭の中で響いた声と、透き通った青色に目を見開いた。
開いても脳裏に映った青色が消えることは無く、きらきらと輝いてみせる。
その輝きは、一瞬にして私の負の感情を消し去り、代わりに胸いっぱいの勇気を残した。
それによって熱くなった胸を押さえ、深く深呼吸をする。
大丈夫、頑張れる。
「・・・よしっ」
小さく葛を入れ、今ある難題を突破すべく、再びペンを握りしめた。
記憶の中にある青空は
(いつでも私に勇気をくれる)
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