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退屈な日常とか、虚像の世界とか

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「ねぇ、桜のおまじないって知ってる?」
 

任務の帰り道、先を行く二つの背中にそう問えば、予想通りに否定の言葉が返ってきた。

「桜の花弁を掴むことができたら、願いが叶うのよ」

そう言えば、ナルトは足を止めて、顔を上げた。

「それだけでいいんだってばよ?それくらい簡単だってばよー・・・・・・・・お?」

そして、上から落ちて来る桜の花弁に手を伸ばし、それを掴む。
しかし、掴めたと思った花弁はナルトの指をかいくぐり、ひらひらと舞いながら地面に着地する。

「あぁーっ!今掴んだってばよ!?」
「ナルト、五月蠅い」

掴み損ねた花弁を見て、叫び声を上げるナルトに一言言い、

「あれ、サイ掴めたの?」

表情を変えないまま、落ちてくる花弁を次々と掴むサイに、声を上げる。

「うん。簡単だよ」

そう言いながら、サイはまた言葉通りに簡単に花弁を掴む。

「オレだって、掴まえてやるってばよ!」

それに挑発されたのか、ナルトは大声で叫び、がむしゃらに花弁を掴もうとし始めた。

「ったく・・・・・」

それを横目に溜め息をつき、顔を上げる。

 

自分と同じ名前の花が、無限に落ちてくる光景は、嫌になるくらいに幻想的で。

 

舞い落ちる花弁に手を伸ばし、手を握る。


開いた手の上には、


「あ」


ピンク色の花弁が、一枚。



「わっ」

不意に吹いた強い風に飛ばされそうになる花弁を慌てて握り、目を閉じる。

 

(サスケ君が、帰ってきますように)


心の中でそう唱え、目を開ける。

掴まえた花弁を、他と同じように宙に飛ばそうとして、


ひらり、と。


持った花弁の上に、もう一枚花弁が重なった。


そのことに驚いて軽く目を見開き、そして頬を緩める。

再び手を握って、未だに桜を掴もうとしているナルトを見ながら、桜に願う。



(ナルトが、怪我しませんように)



そして、二枚の花弁を宙に飛ばした。


 

桜の花咲く願い事
(何処の誰が叶えてくれるかは知らないけど)

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