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退屈な日常とか、虚像の世界とか
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幼い頃に君と描いた一枚の未来図。
笑いながら、クレヨンで遠い未来の事を描いた。
君が居なくなって、そんな何時かの記憶も時の流れに薄れて消えていった。
だから、あの日。
引き出しの奥でグシャグシャになっていたそれを見つけた時、懐かしい蜜柑の香りを思い出して──────
「よっし、準備完了!」
自転車のかごにリュックサックを納め、一つ声を出す。
そして、玄関に戻って施錠をして、鍵をズボンのポケットに突っ込む。
ふと空を仰ぐと、夏らしい青い空に入道雲が浮かんでいた。
そして、その真ん中で光り輝く太陽に向けて握った拳を突き上げる。
きっと、君は幼い日のこんな戯れ事を覚えていないだろう。
だけど、俺は思い出したから。
だから、何時かの下らない約束を叶えるために、君に会いに行く。
「───っし、行くか!」
青空の下。
一枚の未来図と、それと一緒に見つけたおもちゃの指輪を君に届けるため。
蝉の鳴き声が降り注ぐ中、俺は強くペダルを踏み込んだ。
君と描いた未来図を手に
(さあ、俺の手で現実にしてやろうか)
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