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退屈な日常とか、虚像の世界とか

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(日焼け止め塗ってくれば良かったなあ・・・)

雲一つない空から燦燦と降り注いでくる日差しに目を細め、手を翳してその場凌ぎの影を作る。
「じゃあ、適当にペア作ってバトルしてみろ」
人垣の前の方から聞こえてきた声に視線を下ろすと、それまで静寂を保っていた生徒達が一斉に口を開いて、多くの話し声が鼓膜を叩いた。
目の前で着々と二人組が作られていくのを見ながら周囲に視線を滑らせ、集団と少し離れた所に立つシンジの姿を見つける。

「シンジ」
数歩近づき名前を呼ぶとシンジは視線だけを私の方に投げ、そして私から遠ざかり始めた。
シンジの行動に驚き一拍遅れてその後を慌てて追い、特に早歩きをしていたわけでも無いシンジにはすぐに追いつきその肘を掴んだ。
「なんで逃げるのよ」
強い口調でそう言うとシンジは煩そうに顔を顰め、無言で私の手を振り払った。
そして再び離れて行こうとしたシンジの腕をさっきよりも強く掴む。

「・・・何なんだ、お前」
やっと反応を示したと思ったら、嫌悪感を隠そうともしないシンジの態度に怒鳴りかけ、それをぐっと飲み込む。
「あんたは私と組むのよ」
些か抑えきれなかった怒気が含まれたけど、その言葉にシンジが纏う空気が変わったのを感じて口角を上げ、

「おい」

突然背後からかけられた、今最も聞きたくない声に体を強張らせる。
そして、近づいてくる砂を踏む音に息を吸って肩越しに後ろを振り返る。
「何よ」
そう言えば、私のすぐ後ろまで来ていたサトシはちらりと私に視線を投げて、しかしすぐに視線を逸らすとその視線をシンジへと向けた。
「お前、俺と組め」
「はあっ!?」
「・・・・」
いきなりの発言に声を上げた私を無視してサトシはシンジを真っ直ぐに見続ける。
シンジはというと、その言葉と視線に眉を寄せてサトシを見返した。
「ちょっと!シンジは私と・・・」
「俺は、」
空気の流れが変わったのを感じて抗議の声を上げた私を遮って、サトシは言葉を紡ぐ。

「俺はこいつより強いぜ?」

口角を上げながらサトシが言い放ったその言葉にシンジはすっと目を細めて。

「えっ、ちょっと!!?」

驚いた声を上げた私を余所に、モンスターボールを手にした二人は睨みつけるような視線を交わした。


 

+++++++
久々に更新ですー。
リクエスト小説の息抜きにと書いてたら、いつの間にかこんなに長く・・・。
リクエスト小説の方も後からうpします!
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