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退屈な日常とか、虚像の世界とか

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高校入学から一週間。
なんとかクラス全員の顔と名前を覚えて、中学に比べたら少し早めの授業スピードに慣れた頃。

「なんかカスミ、愉しそうだね」

缶珈琲の飲み口から口を離したシュウが突然言った言葉に、私は箸を止め数回瞬きをした。
「え、そう?」
「うん。さっきから口元緩みっぱなし」
聞き返すとそう言い返してきたシュウに慌てて口元を引き締める。
するとシュウは横を向いて笑い、それを少し顔を赤くして睨みつける。
「で、なにか良いことあったの?」
私の睨みを受けてシュウはすぐに笑いを抑えて、そう聞いてきた。
「んー、今からあるの方が正しいわね」
「今から?」
シュウは私の言葉に疑問符を浮かべ、数秒思考した後、降参とばかりに肩の高さまで両手を上げた。
「選択授業」
「・・・・なんだ、そんなこと」
答えを聞いたシュウはつまらなさそうに言葉を吐き出すと、机の上から缶珈琲を持ち上げた。
その反応に少し苛立ちを感じ、缶珈琲が口に触れる直前、シュウの手からそれを奪い取る。
「そんなこと、じゃないわよ。外部生も混じっての初授業なんだから。どんな強い人が来てるか楽しみじゃない」
そう力説すると、シュウはぽかんとした表情をして、それからふっと笑うと、
「・・・確かにそれはあるかもね」
そう言って私の手から缶珈琲を取り返した。

 

「そういえば、カスミ」
「ん?」
それから数分後、黙って本を読んでいたシュウが思い出したように発した声に弁当を片付けながら疑問符を返す。
そして、

「サトシと何かあった?」

いつもと変わらない口調で言われた問いに手が止まった。
「・・・・なんで?」
「ここ一週間、君達が一緒にいるのを見てないから」
内心の動揺を悟られないように、声が震えそうになるのを必死に抑えて問い返せば、シュウは腕時計に目を落しながら答えを言った。
「で、何かあったの?」
そして私に真っ直ぐな視線を向け、再度同じ問いを口にした。
その視線に誰にも言ってないあの事を言ってしまおうかという想いが沸き上がってきて、

「喧嘩しただけよ」

結局口から出たのは、偽りの言葉だった。


「・・・あっそ」
数秒間、私の偽りを見透かす様にじっと私の目を見ていたシュウは、その視線から目を逸らさず見返す私に小さく息を吐き出した。
「全く君達は喧嘩し過ぎだよ」
そう言い呆れた様な視線を投げてくるシュウに笑いながらごめんと返せば、シュウはもう一度息を吐き出し席を立った。
疑問を含めた視線を向けるとシュウは腕時計を軽く指で叩き、時間とだけ言って缶珈琲を持ち、

「早く仲直りしなよ」

そう言って横を通り過ぎたシュウに心の中で返した言葉は、スピーカーから鳴り響いたひび割れた鐘の音に掻き消された。

 



+++++++
ちょっと話が進んだー・・・かな?
設定作るとか言ったけど、全然作ってません。忘れてました。寧ろ無くてもいいんじゃ(ry
脳内設定はちゃんとあるんだんけどなー・・・それを書けばいいだけなのに何故しない、私。
週末に模試があるんで、それが終わって且つ覚えてたら設定うpします。
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