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退屈な日常とか、虚像の世界とか
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きらいだ、キライだ、嫌いだ。
オレを見る、あいつらの目が。
あいつらという人間が。
オレを生み出したこの世界が。
「わあっ、お日様みたいな髪っ」
不意に鼓膜を叩いた楽しそうな声に瞼を上げ、目の前にいた先程の声の主であろう少女を睨みつけると、その碧色の瞳が僅かに開かれた。
そして。
「すごぉいっ!目は青いんだ!!綺麗っ!」
大きな歓声を上げ、その声の大きさと予想外の反応に目を瞬かせたオレを見ながらすごいを繰り返してにこにこと笑う少女から目を逸らす。
(こんな輝いた目知らない。)
(こんな綺麗な笑顔知らない。)
(調子が狂う。)
「ねえっ、一緒に遊ぼう!」
その言葉と共に差し出された小さな手に息を飲む。
「オレ・・と・・・?」
「うんっ!!」
開いた口から出した小さく震えた声に返ってきた何の迷いもない澄んだ声に、目の奥が熱くなって。
「あれ?どうしたの?」
「なんでもないってばよ!」
零れ落ちそうになった涙を慌ててシャツの袖で拭った。
こんな世界、大キライだけど。
「私、サクラっていうの。きみは?」
「オレは、ナルトだってばよ!」
(少しだけ好きになったかもしれない。)
繋がれた手の温もりに、密かにそう思った。
大嫌いなこの世界がキミと僕を出会わせた
(唯一の感謝を大キライなこの世界へ)
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